パン作りが趣味です、と言うと、大抵キラキラした眼差しで
「お菓子も作れるの?」
と訊かれる。
その度に「お菓子はあまり......」
と答えることが多かった。
実際、私はそこまでお菓子を作らない。
理由は使う砂糖の量の多さと、保存性の悪さだ。
別に健康を意識している訳ではないのだが、お菓子作りは本当に砂糖を多く使う。パン作りなら20gくらいでも結構甘いパンができるのに対し、お菓子作りだとこの2,3倍でもまだ足りないほどだ。
お菓子でもパンでも、作るとなるとそれなりの量ができる。
家族や半同棲の恋人でもいればいいのだが、残念ながらそんな人もいないので、基本は1人で消費する前提になる。保存性の効かないお菓子をそんなに1人で食べきれない。
職場なり友達なりに配るにしても、ラッピングなり保存性(冷蔵保存のお菓子はまず人にあげられない)を考えると、どうもパンの方に軍配が上がる。
そんなこんなで「お菓子は作れない」と自認していたのだが、よく考えたらお菓子作り用にホットケーキミックスを常備してるし、なんだかんだでちょくちょく作っているので、一度整理しようと思ったのがスレタイ。
1,クッキー
多分一番頻繁に作るお菓子。ホットケーキミックスとバターを常備しているので、「家にお菓子がないけど甘味が食べたい」ときによく作る。
基本的にズボラなアイスボックスクッキーで、材料を袋に入れて揉みしだき、ドレッジ(又はパン作り用スケッパー)で適当に切って焼く。焼く前の形状はさながら沢庵のようである。
卵を入れると美味しいが、家にあるもので作ることを基本にしているので、無しで作ることもある。基本的に「甘いもの食べたい」という欲求を満たすために作るものの位置付けなので、人に振る舞うものでないと考えている。一応まともな市松模様や渦巻き模様のアイスボックスクッキーも作れます。その時はボウルに材料入れて、真っ当な作り方で作ります。型抜きは普通にめんどいのでやりません。持ってないし。
ちなみに自転車で1分の距離に24時間営業のコンビニがあります。
それでも私は外に出たくないのです。
2,スコーン
クッキーの派生。クッキーと材料や作り方はほとんど同じなのに、なぜか見た目もよく、普通に美味しい。味はなんだかんだでチョコレートとくるみ一択。レーズンは何度かやったが微妙においしくない。ダースを丸ごと入れて袋の中でちまちま半分に砕く。円形にした厚めの生地を、ドレッジで8等分にするときがちょっと楽しい。
3,プリン
卵、牛乳、砂糖があれば作れる実は簡単なお菓子。卵はきちんと濾さないとダマになっておいしくない。簡単ではあるが、作っても言うほど美味しく作れないので、「買った方がコスパがいい」と思っているお菓子No. 1。
3,パウンドケーキ
混ぜて焼くだけなのに美味しく作れる。バナナやドライフルーツを入れることが多い。ちなみにレーズンやドライフルーツは常備しているブランデーで漬けてます。
パウンド型を持っていないので、食パン型にオーブンシートを敷いて代用している。パン作りに比べるとすぐにできるのでいつも拍子抜けしてしまう。オーブンから出したときに上に独特の裂け目ができているととても嬉しい。
4,アップルパイ
クロワッサンが作れるから生地から作れるはずなのだが、実はそこからはまだやったことがない。ただ、冷凍パイシートを買って作ったことは何度かある。アップルパイのりんごは紅玉一択。酸っぱいりんごをシンプルに砂糖だけで煮詰めると美味しいんですこれが。個人的にバターで炒めるのは蛇足だと思っている。あと、りんごのコンポートはヨーグルトにかけて食べるのが好きです。
5,スイートポテト
これもなんちゃってレシピ巷にいっぱいあるよね。アイスクリームと混ぜる奴とか。
作れるんだけど、最近焼き芋の方が好きであまり作らないかも。紅はるか最高!
6,ブラウニー
実はブラウニー型も持ってます。ただ、そんなにちょくちょくは作らないかな。ココアパウダーはちゃんとピュアココアを使わないと意外とココア感が出ません。飲む用のミルクココアではダメなのだ。
7,レアチーズケーキ
生物は人にあげにくいのでほとんど作らなかったりする。クリームチーズも安くないし。でも美味しいよね。個人的にビスケットの台を作るところが一番難しいと思ってる。なかなか均一に作れない......。
8,アイスクリーム
アイスクリームを作るには生クリームがいるのであんまり作ろうと思って作ったことないかも。名古屋のワインバーでバイトしてたとき、デセールで「マスカルポーネのアイスクリーム」を出しており、そのレシピを教えてもらって作ったくらいかな。「絹漉し豆腐にココアパウダー入れて凍らせるとダイエットアイス」というレシピを見て作ったことがあるが、あれ案外美味しくないよ。
9,ゼリー
ゼラチン派です。原理的にはジュースを温めてゼラチン溶かせば作れるのだけど、そもそもジュースを飲まないのであまり作らないかも。
会社員だった頃、休日に突然「みんなでとある先輩の家にいるから遊びにおいでよ!」と呼び出され、手土産代をケチって家にあった自家製梅酒でゼリーを作ったのだが、急拵えのためろくにアルコールを飛ばさないで作り、アルコールがギャンギャン過ぎて誰も食べられなかったという苦い思い出がある。その後もしばらくネタにされた。ゼリーは責任を持って持ち帰り、炭酸をかけて食べました。
10,デコレーションケーキ
スポンジからは作ったことがないけれど、半分に切ってクリームを塗ってフルーツ挟んで、という感じで一応何度か作ったことがある。あれ、回転台とスパチュラないと綺麗にクリーム塗るの難しいと思うんですよね。
11,マカロン
作れるんです、実は。一時期ちょくちょく作ってました。同じサイズのマカロン作るのなかなか難しいのと、中に挟むガナッシュを作るのがなかなか面倒だったりします。(というかネタが思いつかない)。
マカロンは必須の材料や道具が多い割に、私的にその汎用性が低いんですね。アーモンドプードルとか、食紅とか、絞り袋とか。そして失敗率高いので自分でマカロンラスクとして食べるのですが、そもそもマカロンって一度にいくつも食べるようなものじゃないんですよ......。でもそのうちまた作ろうかな......。
12,蒸しパン
最近簡易蒸し器(フライパンで蒸し物作れるやつ)を買ったので作れるようになりました。これまた会社員時代、展示会のときにありあわせのドライフルーツをその辺にあったブランデー(テストキッチンにあったもの。怒られはしなかったけど多分あんまりよろしくない)に一晩漬け込み、恐らく別用途で買ってあったホットケーキミックスで蒸しパンを作ったところ、中々好評だった。
13,ドーナツ
「ドーナツを作りたい!」と何度か挑戦しているのだが、なぜか「これだ!」という出来のものを作れたことがない。ドーナツにはイーストで膨らませるイーストドーナツ(ミスドでいうところのチョコリング)と、ベーキングパウダーで膨らませるケーキドーナツ(ミスドで言うところのオールドファッション)の2種類があるのだが、個人的にはケーキドーナツが好きです。いつかヤングドーナツの大きいのを作りたい。なんでどこにも売ってないんだろうね。
そういえば、仙台にいた頃バイトしてたパン屋ではよくオールドファッションみたいなケーキドーナツにチョコを漬ける仕事をしてたな。
14,トリュフチョコレート
高2のバレンタイン、百均でレシピ本を立ち読みして得た知識で作った。テスト前、夜中ということもあり、母親がずっと迷惑そうにしてたことだけ覚えている。ちなみに友チョコ。本命チョコを誰かにあげたことが人生で一度もない。
15,ホットケーキ
ホットケーキのおいしさが、子供の頃からいまいち理解できない。「手抜き飯」のイメージが強い。生クリームを乗せて飾っても、メレンゲでふわふわにしても、何となくしっくりこない。
ちなみに、ホットケーキミックスには砂糖が入っているので、水を入れるだけで一応「ホットケーキ」は作れる、ということは恐らく貧乏学生しか知らない裏技だろう。ただ、きちんと卵と牛乳を入れて作った方が美味しい。
その手軽さから小学生でも作れる料理の一端に数えられることが多い料理だが、舐めてかかると案外失敗しやすいのもまた、ホットケーキの特徴だろう。いわゆる「濡れ布巾」とか「弱火」という
概念をホットケーキの失敗から学んだ人も案外多いのではないだろうか。簡単そうに見えて案外奥深い、それがホットケーキという料理の妙なのかもしれない。
16,カステラ
カステラは16世紀にポルトガルから伝来した所謂「南蛮菓子」だが、一応「和菓子」という扱いらしい。これも何度か作ったことがある。ただ、レシピの問題なのか、腕がなかったからなのか、北海道銘菓の「かすていら」みたいなちょっと素朴な味になり、コスパが良くないと感じたので、今後気が向かないと作らないだろう。
17,キャラメリゼ
くるみやレーズン、バターを常備しているので、甘味が欲しくなったときにささっと作る。作り方としてはくるみやレーズンを気持ローストし、バターをたっぷり入れて溶かし、そこに適当に砂糖をかけるだけ。ハイカロリーの権化みたいな食べ物だが、なかなかに美味しい。
要するにバターに砂糖を溶かせばキャラメル風味のソースができるので、一度ポップコーンを作ったときにかけてみたらちゃんとキャラメルポップコーンができた。今度パーティーを開くときにまた作ってみようかと思っている。
18,水羊羹
これまた前の会社の展示会で、鯛焼きを作るためにアホみたいな量のあんこを買ってきた営業所があった。大量のあんこを消費するには水羊羹しかないと思い、レシピを調べると意外と材料がシンプル(寒天、砂糖、塩)だったので、大鍋いっぱいにたっぷり作って出した。展示会が6月だったこともあり、中々好評だった。
19,フィナンシェ
これを入れるのはちとずるいかもしれない。小学校の総合の時間、各自好きな国を選んで調べるという課題があった。その一環で、その国の料理を作ってみる、というのがあり、フランスを選択していた私たちはフィナンシェを作った。アーモンドプードルというものの存在はこのとき初めて知った。要は焼き菓子なので、作ろうと思えばいくらでも作れるだろうな、と思いながらフィナンシェ型を持っていないのでそれ以来作ったことはない。
パッと思いついたのをつらつらあげてみた。恐らく忘れているけれど作ったものもいくつかあるだろう。
以下、思い当たりはするけど何気に未挑戦シリーズ
①シュークリーム
難しいお菓子の代名詞ですね。卵も牛乳も高くなった今、よっぽどのことがないと挑戦しないような気がする
②マドレーヌ
焼き菓子は型さえ買えば作れるんだろうな、と思いつつ、あのシェル型を持っていないので未だに作ったことがない。富澤商店でミックス粉が半額になっていたので、挑戦しようか迷ったものの、えげつない量のバターを使うのに怖気付き、挑戦は未定
③シフォンケーキ
シフォン型買わないとね、という感じ。そして1人で消費できる自信がない
④カヌレ
カロリー高そう。あと型買わないといけないし......。
⑤おはぎ
おはぎというか、あんこを炊くところからやるか、みたいな感じです。時間かかりそう。あとあんこはこし餡派なので、作るの大変そう。あんこはスーパーで100円くらいで作るのに必要な分は事足りるからなあ......。
以上です。
いや、よく考えたら普通にお菓子作れると言ってもいいのでは?
まあ、レシピ通りに作ればまあそこそこのものは誰でも作れるよね、正直。