アイスクリームが、好きだ。
中学生の頃、学校行事でニュージーランドに行く機会があった。
ニュージーランドはアイスクリームの生産量が世界一の国だ。当時「旅行で行った土地の食べ物を何か一つ好きになる」癖があり、ご多分に漏れずそこから好きになった。
バニラも好き、チョコも好き。抹茶やラムレーズンももちろん好き。ショートケーキ味とか変わり種もなんだかんだで結構好きだ。
コンビニ、スーパー、アイスクリーム屋、27年生きてきて様々なアイスを食べてきた。
だからこそ言いたい。
ハーゲンダッツって、言うほど美味しいか?
ハーゲンダッツは言わずと知れた高級アイスクリームだ。「高級アイスクリームの代名詞」、と言っても過言ではないだろう。
「ハーゲンダッツおごって」と言えば「ちょっと高くつくわよ」くらいの意味にはなる気がする。
その「高級感」に酔わされて、何度か買って食べたことがある。
が、
一口食べても「しあわせ」がやってこないのだ
「うん、まあ美味しいけどね」で終わってしまう。
私はもっと「感動」を求めているのだ。
ひと匙のアイスを舌の上で溶かしながら、「しあわせ」を胸いっぱいに感じたいのだ。
ハーゲンダッツに、それはない。
内心、「この金額ならもっと美味しいアイス他にあるよな」という思いが捨てきれない。
うちの近所のスーパーは、ハーゲンダッツを4個買うと割引になる。一個あたり198円くらいで買えてしまう。
4種類の内訳は、買うときの気分によってまちまちだ。
あるとき、その中の一つに「バニラ」があった。
バニラアイスは好きなのだが、敢えて買うか、と聞かれると滅多に手に取ることはない。
正直、あまり期待せずに中蓋を開けた。
ひと匙、口に含む。
ふわりと、濃厚なバニラの香りが口の中に広がる。
あまたあるバニラアイスだが、その中で個人的に「理想の味」というのがある。
説明するのが難しいのだが、クリーム味よりも強めのバニラの芳香がするタイプのバニラアイス......子どもの頃にホテルニュー王子で食べたバニラアイスの味をいつも何処かで求めている。その後の人生で何度か出会えることがあったものの手軽に味わう方法を知らなかった。
ずっと探し求めていた「理想の味」が、そこにあった。
前言撤回、ハーゲンダッツは美味しいかもしれない。(バニラ味は)