28年生きてきて、異性からプレゼントを貰ったことがほとんどない。
交際「人数」だけで言えば年並みの人数と付き合っているはずなのに、その期間を「通算」して1年にも満たないくらいしか付き合っていないので、貰う機会がないのだ。悲しいことに、誕生日に彼氏がいたことが今まで2回しかない。
私の誕生日は11月4日だ。前日が文化の日なので、誕生日前後は休日になることが比較的多い。
20歳の誕生日、その2週間くらい前に「付き合おうか」という話になった彼氏は、その連休でわざわざ札幌からやってきて仙台駅で落ち合った開口一番に「いい話じゃないのわかっているよね」と別れ話をされた。もちろんプレゼントなどない。
21歳の誕生日には彼氏がいた。実質初めての交際は彼なのだが、私の誕生日の時期は既にぎこちない空気が流れていた。別れ際にリボンのかわいいネックレスをプレゼントされたけれど、その3日後に別れを切り出された。「最後に一度会いたい」と公園に呼び出したのだが、3時間くらい待たされたのに腹が立ち、ネックレスは突き返した。
その次に付き合った彼氏は、ちょっとしたモノをよくくれる人だった。お菓子とか、ちょっとここには書けないようなものとか。この人に関しては、フランス語を教えるためにかなりあれこれやってくれたことのほうが大きい。そして唯一「よくある普通の恋人」みたいに頻繁に会うことができた人だった。ほんの一瞬だったけれど。
次に誕生日に彼氏がいたのは25歳の誕生日を迎えるときだった。20歳のときにわざわざ仙台まで振りにきた男ともう一度付き合うことになったのだが、付き合いはじめてから日が浅かったせいなのか、浅草でうなぎだかどじょう鍋を奢ってくれたきりで、プレゼントはなかった。食事がプレゼント、ということだったのだろうか。
交際期間が短いので、何をあげたらいいのか困る、というのはあっただろう。けれど、自分の誕生日よりも彼氏の誕生日の方が先に来ることが多いので、こちらが先に祝っていることが多いのだ。毎回手探りなので、喜ばせられたかどうかはよくわからないけれど。
彼氏は長いことご無沙汰だが、男友達は常に何人かいる。異性の友達にプレゼントを贈るのは少々重いので滅多に贈らないし、贈られることもない。
時々、話の流れで「〇〇をあげようと思って」みたいなことを言われることがあるのだが、考えてみるとそれが本当に贈られたことは一度もない。
本、Diorのリップ、(自主規制)、小説の感想。
本は特に、実際に誰かから贈られてみたいのだが、残念ながら口約束のままだ。毎回すごく喜んでみても、結構ぬか喜びで終わってしまう。
ああそうだ、フランスに留学したとき、語学学校で少し仲良くなったアルゼンチン人の男性から「異邦人」のペーパーバックをもらったことがある。それくらいだ。扉にペンで謎の記号が書いてあるのだが、それがどういう意味なのか、未だによくわからずにいる。
そんなにプレゼントがされたら嬉しいのかというと、決してそういうわけでもない。
会うたびにプレゼントをくれる人がいたのだが、それには少し辟易した。
貰う謂れがないプレゼントは、例え何かそれらしい理由をつけられても重いのだ。
会って2回目で「退職おめでとう」とちょっとしたオシャレなお菓子をもらったのだが、正直理解が追いつかず戸惑ったのを覚えている。
そうそう、このブログをやるきっかけになったなかはらは、ここ数年毎年律儀に誕生日プレゼントをくれる。そのくらいかもしれない。
友達から心尽くしの誕生日プレゼントを貰った経験は何度かある。
20歳の誕生日にF研の部室で先輩に誕生日の歌を歌ってもらったこと、22歳と23歳の誕生日に友達の家でケーキで祝ってもらったこと、28歳の誕生日をハワイで迎えた日のこと。それはとても嬉しい思い出として、心に残っている。
ただ、いつか、好きな人に心から誕生日を祝ってもらいたい。それが今の小さな夢だ。