7ちゃんねるーふみねぇ支店

アラサーニートのよしなしごと

呟き35:ガラパゴス携帯の話

2012年。

友達からくるメールと、データフォルダの中の犬の写真。
それしか用はないのに、何となくちらちら確認してしまう携帯電話を手に、私は友達と話していた。

あれは10年前、予備校の授業が始まる前だった。

「それ、ガラパゴス携帯って言うんだって」
最初は意味がわからなかった。
日本だけ、独自の進化を遂げたフィーチャーフォンのことを、揶揄してこう言うのだ、という。
当時はスマートホンが少しずつ世間に浸透し始めた時代だったが、フィーチャーフォン派はまだそれなりにいた。

派、というよりも、高校入学のタイミングで「当然のもの」として買ってもらった。それだけの話だった。
2010年頃だと、iPhone3は発売されていたので、クラスでも何人かはスマートホンだった。ただ、当時の連絡はメールが主流で、赤外線通信でメールアドレスを交換できないのをすごく不便だと思った記憶がある。

確かに、その3年ほど前(2009年)にニュージーランドに行った時、ホストファミリーのお姉ちゃんが、日本ではすでに撤退していたボーダフォンの小さな携帯電話を使っていてびっくりした記憶がある。

研修で行ったニュージーランドの中学生達も
「ねえ携帯持ってる?」
「キャリア何? ボーダフォン? 」
と、とにかく「ボーダフォン」のワードがちょくちょく出てくるのには驚いた。

一応こんな経験があったので、日本だけ機能が独自に発達しているのだ、という話を聞いても「なるほどね」くらいに思ったものだ。

それから数年も経たないうちに、スマートホンは携帯市場を席捲し、フィーチャーフォンが少数派まで転落したのは驚いた。

渦中にいるとき、フィーチャーフォンが廃れる未来が来るなんて誰も想像しなかったと思う。

中学生の頃に考えた小説は、今よりもさらに未来を描いていたのに、登場人物は当たり前のようにフィーチャーフォンでメールを打っていた。

他に、当時は近未来小説だったものの、時代が追いついた小説として「図書館戦争」(物語の始まりは2019年)があるが、アニメ版ではやはりフィーチャーフォンで連絡を取る描写がある。

こんな未来、少しも想像できなかった。