仕事を辞める時、上長に「社会人向いてないかもね」と言われた。
3年働いて結局この結論に落ち着くのかと思うと、なんだかなという感じである。
そもそも、社会生活に向いていないことは薄々わかってはいた。
学生時代は常にグレーゾーン扱いで、なまじ進学校出身だったので周囲は「まあ腐ってもあの進学校出身だしね」という反応だった。
結果としてごりごりの「本職」だったのだが、「普通の範疇」の生き方しか知らないので今更どうしようもない。
「現実を見なさい」と言われて育ってきた。
「そんなもんなのかな」と思ってぬるぬる勉強しながら生きてきたが、最終的に「普通」から弾かれて終わった。
バイトレベルの「責任のない仕事」ならできてしまうので、自分は社会で生きていけるものだと勘違いしてしまったのだ。
学生時代に一人で食べていける道筋を見つける方向に全力を尽くすべきだった。
本来そういう生き方しかできないのだから。
けれど、一度知ってしまった「お金のある生活」から絶対に抜け出したくない。
誰かに養われて生きるなんて、死んでもごめんだ。
昔友達に「あなたは自分の為に小説を書くんだね」と言われたことがあるが、そもそも私は、普通の人生を送れるのなら、別に文字を書いて食べていきたい訳じゃないのだ。
だから、今も「文字を書く以外」の仕事を手に入れようとしている。
所詮いつかは弾かれてしまう未来も見えなくはないけれど、そういう生き方しか今はできないのだ。
兎角人の世は住みにくい。