無駄才能シリーズその2
私は人にモノを配るのがうまい。
ここでいう「配る」は「分配」ではなく「ばら撒き」のことだ。
掴みとしては比較的強いインパクトを与えられるが、ぶっちゃけこれができるからと言って大した意味はない。
太鼓の達人が幾ら上手だからといって、楽団でティンパニーが叩けるかといえばそうではないだろう。
これはそういうレベルの話だ。
【基礎編】
必要なものを説明しよう。
図々しさ、へこたれない心、以上だ。
まず、相手の事情を極力無視します。
「ぶっちゃけティッシュなんて要らないよな」と変に忖度する必要はありません。
こちとらこれで金稼いでるんじゃ、と開き直りましょう。まずはここからです。
次にとにかく来る人から人にアタックして試行回数を増やします。
ぶっちゃけティッシュなんて9割の人がいらないんです。
でも必ず欲しい人はいます。
成功体験だけを胸に抱いて配り続けましょう。
試行回数が多ければ多いほど成功数は増えます。
これが基本です。
【応用編】
モノを渡した後でリターンが必要なパターンがあります。
何かしらアンケートに答えて欲しいとか、名刺が欲しいとかそのタイプです。
この場合、こちらの求める対応をしてくれる人は神です。滅多に存在しません。
大抵の人は受け取ってくれた後スルーしようとします。
なので、できる限り笑顔で追走します。
顔は相手に向けたままなので必然的に横歩きです。
側から見ると、とても執念深く見えます。
でもこちらも仕事なので。
安心して笑顔で🦆を追いかけましょう。
こうすると、成功率は上がります。
張り切ろうとされたらそもそもダメ元なので潔く諦めて新しい🦆を探しましょう!
歩いている人は沢山いますので。
たかだかティッシュ配りでそこまで考えてんのかよ、きっしょ、と思ったそこのあなた。
とても普通な感性だと思います。
というか、人より何かができるということはそういうことなのではないだろうかと最近思うようになりました。
誰よりも考えないと、誰かより秀でることは難しいのでしょうね。
そして私は、今の自分の仕事においてまさに「えっ、そこまで考えないといけないのきっしょ」とか思っていたので3年間働いて立派な無能になりました。
おしまい。