あるところに、メルヘンな女の子がいました。
「あーあ、マシュマロ雲に乗って、綿菓子のお布団でお昼寝したいなぁ〜」
取り合わせるとちょっと意味がわからない気もするが、ニュアンスが伝われば取り敢えずそれでいい。
マシュマロや綿菓子というお菓子はビジュアルとイメージから「ふわふわ」「あまあま」なものとしてファンタジーの世界のモチーフにされたり、イラストに描かれたりしがちだと思う。
昔から疑問に思っていた。
綿菓子もマシュマロも、ベタベタじゃないか?
確かに見た目はふわふわだけど、マシュマロの食感は言うほどふわふわと言うほどでもないし、縁日で買った綿菓子はいつも、口の周りがベタベタになった。
特に綿菓子に関してあまりいい感情がなかったのだが、この前ひょんなことから食べる機会があり、おそらく15年ぶりに食べた。
口をつけるだけでふわふわ溶けて行く。
意外と美味しかったという、話。