これは何度か呟いたことがあるのだが、私は共感覚がある。
そもそも「共感覚って何」という人向けに説明すると、「ある感覚が別の感覚とリンクする」というようなもので、例えば「メロディに色が見える」とか「数字を見ると味がする」とか、そういうものだ。
一見、創作物における強烈なキャラ付に見えるかもしれないが、これは実際に存在する。
私の共感覚は「文字に色が見える」というもので、共感覚の中では一番ポピュラーなものらしい。
どういうことかというと、わりとそのままの意味で、ここに書いている文章も、世の中の看板に書いてある文字も、それぞれ色づいて見える。
「黒い文字が色づいているってどういうこと」とよく聞かれるが、知覚の話なので説明するのが難しい。ただ、文字を認識すると同時に色が自動的についてくる。
漢字を見て、同時に漢字の意味を何となく考える感覚に近いのだろうか。
色が見えるのは、ひらがな、カタカナ、漢字、数字(単体)、アルファベット(単体)。
残念ながら数学や英語にそこまで精通していないので、数字や英語は数字や単語のまとまりとして色づいて見えるわけではない。
漢字は常用漢字程度なら結構固有の色が見える。但し、読み仮名のひらがなのイメージにひっぱられることは結構多い。
例えば女の子の名前によく使われる「菜」という漢字。
私はこれが薄いピンク色に見える。
本来、菜の花は黄色い花だし、野菜や菜っ葉から連想すると本来なら黄色や緑に見えそうなものだが、「な」というひらがながピンク色に見えるのに引っ張られている可能性が高い。
恐らく、この漢字は自分にとって、人名として使われる場面で出会うことが圧倒的に多かったため、このようになっていると考えている。
これが見えることで得したことは正直ない。
日常で無駄な違和感を抱くことが少し多いだけだ。
一番多い違和感は、名前だ。
これは共感覚のない人でも多少共感してもらえそうな気もするが、たとえば「あおい」というキャラクターのイメージカラーが赤だったりするとすごく違和感がある。
漫画やアニメのキャラクターだとさすがにあまりないのだが、現実の世界だとそうはいかない。
ハロプロが好きになってしばらく経つが、名前とメンバーカラーの乖離はしばらくもやもやした。
「あゆみ」とか「あかり」って名前なのにメンバーカラー「青(系)」なの!?
とか
「りほ」が赤?(黄色に見える)「ゆめの」で黄色!?(ピンクに見える)
などなど、個人的なイメージの乖離は枚挙にいとまがない。
そもそも、この共感覚で感じる色は共感覚持ちでも個人差があるらしい。
一度、共感覚持ちのサイトに行ってみたら、解釈不一致過ぎて回れ右をした。
まあ、キャラクターと違って人間はさまざまなカラーの側面がある、というのもあるので今は上記の彼女たちの色も受け入れられるようになった感はある。
今まで共感覚持ちを告白すると「どういう感覚? 」と訊かれることはあるものの、「私も~! 」という人に出会ったことがないので、該当者はこっそりと手を上げてくれませんかね。