学生時代、政治や経済について死ぬほど疎かった。
政治経済はなぜか勉強しようとすると拒否反応が出るほど嫌いで、中学の時は泣きながら勉強し、高校はとにかく触れなくていい方法を模索した。テストは他分野の知識で乗り切った覚えがある。
政治経済を切り捨てると道内の国公立大学で行けるところがなかったので、図らずも道外に出ることになったのだが、結果オーライだったので何も気にしなかった。
教育大も一応社会科を専攻していたので、憲法やその他政治経済も全く触れない、ということは無かったと思うのだが、記憶が薄い。憲法は全員必修だったので、持ち始めたばかりのスマホを使い、クラスラインでカンニングをするという方法でみんなで協力して乗り切った、という記憶だけ残っている。
さて、社会人になって、ひょんなことから法律や政治、経済の勉強をすることになった。
結果として、とても面白かった。
日本は法治国家なので、仕組みがわかると社会の動きもわかりやすくなる。法律も行政も経済も、それぞれ重なりがあって動いている。そんな当たり前のことが今更わかって、面白いな、と思い始めてきた。
ネットを見ていると、「行政は広報が下手」という意見をよく見かけるが、「情報を知りたい」と思って行動すると、行政は案外情報提供というのをよくしている。広報もしている。しかも大抵の情報は無料か、有料だとしてもかなり安価だ。
ホームページ自体は無骨で、使い勝手がいいとは言えないので、それだけで諦めていたのだが、ちゃんと探せば分かりやすくキャッチーな広報が簡単に手に入ったりする。時々Twitterでバズったときにしかその存在を感じることは少ないけれど、自発的に探せば結構ある。
また、国も自治体も、硬軟あるが、Twitterで情報発信している。正直「これ以上どうすればいいの?」というくらいのレベルで、素人が改善策を出せと言われても困るほどだ。
親しみやすい情報発信、というのも考えもので、あまりにもくだけた情報発信は信用性が薄くなるという欠点もある。
というか、くだく時点で情報の取捨選択が必須になり、限られた情報しか伝えることができない。個人的に、国や行政の情報発信はお堅くあってほしい。プラスアルファで親しみやすい情報発信があると、情報に触れる糸口になっていいと思うけど。
どうして圧倒的多数が政治に興味がないのか考えてみたところ、日常生活で政治に触れる機会が圧倒的に少ない、というのがあると思う。少なくとも、日常において政治は会話のネタにならない。
昔の小説を読むと、大人の男性の一般的な会話は政治であることが多い。でも現在の日本では公教育で政治の話をされることは制限されていて、ある意味その賜物のような気もする。
という話をとある人にしたら「政治の話が日常に上がらないというのは世の中平和ってことなんだよ」と言われた。
確かにそうかもしれない。
鼓腹撃壌の世の中を謳歌する方が、ある意味幸せなのかもしれない。
確かに、世の中の仕組みを知らなくても生きていけるのだから