7ちゃんねるーふみねぇ支店

アラサーニートのよしなしごと

呟き159:夢はまだ終わらない

 

あの日から、1年経った。

 

厳密に言えば「1年」というには少し早いのだが、そう言ってしまっても差し支えないだろう。

「計画」が狂ってしまったあの日、私は、仕事も美意識も誇れるものも、何も持っていない自分のことを振り返って、初めて「怖い」と思った。

上野の中心街はよく晴れていて、空が高く、雲が細くたなびいていた。

未来が、全く見えなくなった。

 

心が沈んでいても時間は容赦なく流れていくし、自分で入れたいくつもの予定が、不安な沼に浸るのを許してはくれなかった。その予定のいくつかは予想外な結果を運んでくることもあったけれど、どうも本気で心を傾ける気にもなれず、本当にこれでいいのか自信もないまま、気がついたら「またそこを目指す」ということがいつの間にか現実のこととして目の前に迫っていた。

 

ずっと、怖かった。

この一年で、どんなに知識が増えても、履歴書に書けるような資格ができても、新旧含めたたくさんの知り合いが暖かく応援してくれていても、心のどこかで、この生活をしていることが不安で仕方なかった。

自分なりに勝算がある。そのためにできる限りの立ち回りだってする。誰よりも憧れの場所のすぐそばで、全てを吸収する。

そんな努力を積み重ねても、もしかしたら、自分の未来がまた、脆く崩れてしまうかもしれない。

そんなことを想像して、文字通りその場から動けなくなったり、頭を抱えてしまうことが幾度となくあった。

足掻く日々が一段落した後、次の準備と称した趣味の延長みたいなことをしていた。それは去年は結局時間を割くことができなかった、夢のような時間だった。その反面「もしこの準備も資格も何も意味をなさないことになったら悲しいな」と思ったりした。

 

あの日から、一年。

 

あの日からほんの少しだけ、先に進むことができた。現時点で、いちばん理想の未来になったはずなのに、自分が思っていたより心から喜ぶ気持にならない。ただ放心していた。

しばらくぼんやりと考えて、ああ、まだ私は夢を見ていてもいいんだ、と思った。

それは自然と笑いたくなるような幸福じゃなくて、静かに噛み締めたくなるような喜びだった。

 

私は、今やっと、夢のスタートラインに立つことができたような気がする。